【この記事をざっくりまとめると・・・】
①少額減価償却資産は事業供用していないと経費処理(償却)できない
②事業供用していないものについては貯蔵品などの科目で資産計上する
③定期的に事業供用したかの棚卸をする
こんにちわのり
若手税理士のわのりです。
今回は前回記事にした「少額減価償却資産」に関しての注意点として「事業供用日」との関連性をまとめてみます。
少額減価償却資産の概要(おさらい)
まずは前回のおさらいです。
「少額減価償却資産」とは「取得価額が30万円未満の減価償却資産」を指し、中小企業者等は年間300万円を限度として一時に取得価額の全額を償却することができます。
前回の記事↓↓
事業供用してなければ費用化は出来ない!
そんな少額減価償却資産ですが、たとえ適用要件を満たしていても「事業の用に供して」いなければ償却することはできません。
ここは通常の減価償却資産と同様の考え方ですね。
- そもそも減価償却資産は使用に伴って価値が減少していくことから、事業供用の開始時から減価償却という方法で各事業年度に「償却費」として費用を配分していく。
↓
- 企業規模が小さい事業者は、税負担・作業負担の観点から特例的に30万円未満のものについては一時に全額償却しても良い。
↓
- ∴少額減価償却資産も事業供用していなければ償却できない。
という流れです。
ですので、少額減価償却資産の特例を適用する際は「年度末までに事業の用に供しているか」を必ず確認しましょう!
事業供用していないものの経理処理
じゃあ、購入した事業年度の末日までに事業の用に供していない少額減価償却資産はどう処理するの?
といいますと、
事業の用に供されるまでの間、「貯蔵品」などの科目で資産計上しておくこととなります。
そして事業の用に供されたタイミングで資産科目から経費に振替ます。
【事例】
X事業年度に少額減価償却資産に該当するPCを250万円で10台(@25万円)購入。
うち4台はX事業年度中に使い始めたが、残り6台はX事業年度の翌期に入社した新入社員へ配布し使い始めた場合。
1.資産取得時(X事業年度)
消耗品費 100万円 / 現預金 250万円
貯蔵品 150万円 /
2.X事業年度の翌年度
消耗品費 150万円 / 貯蔵品 150万円
四半期ごとに事業供用し始めたか棚卸ししよう
取得年度に事業の用に供しておらず資産計上された少額減価償却資産については、四半期ごとにでも事業供用がされたか棚卸確認をしましょう。
これを怠ると経費への振替漏れが生じる可能性があります。
年度ごとの確認でも大丈夫ですが、1年開くと棚卸作業を忘れてしまう可能性もあるので個人的には四半期間隔がおすすめです。
まとめ
2回に渡って「少額減価償却資産」についてまとめてみました。
できるだけわかり易く、すんなり頭に入ってくるよう簡潔に説明したつもりですがいかがだったでしょうか?
正直「少額減価償却資産」というワード関連でまだまだ記事が書けるほど意外と奥深いのですが、それはまたの機会にしようかと思います。(償却資産税や一括償却資産との有利不利判定、中小企業者等の判定論点などなど・・・。)
中小企業さんは顧問税理士の方と相談のうえ「少額減価償却資産の特例」を上手く活用していきましょう!
ではでは〜
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若手税理士(30は若手なのか・・・?)のわのりが運営する雑記ブログ。
主に個人的に気になった税務論点や、趣味のゲーム・旅行・ガジェット・ロードバイクの情報を発信中。