一括償却資産のベストな経理処理方法は?

一括償却資産のベストな経理処理方法は?
 
 
こんにちわのり
 
若手税理士ライダーのわのりです。
 
 
皆さん固定資産システムは何を使われていますでしょうか?
 
わのりの所属する事務所では、最近、減価償却の達人にシステムが変わりました。
 
まだ操作に慣れておらず四苦八苦でございます(汗
 
 
 
 
さて皆さん、一括償却資産ってどう管理されてますか?
 
わのりが最近操作してる減価償却の達人にも一括償却資産用の台帳があります。
 
 
しかし個人的に思うことは、
 
 

別表上で管理しちゃえば台帳要らなくない?

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わのり

 
 
という事。
 
 
今回はそんな一括償却資産の管理の手間を減らす経理処理方法を紹介します!
 
 
 

一括償却資産とは

 
一括償却資産とは税務上での資産種類(税務処理)の一つで、取得価額が10万円以上20万円未満の資産が一括償却資産にあたります。
 
 
物品等を購入した際に、単価が10万円以上の物は資産計上され、定められた耐用年数によって償却(費用への振替)が行われます。
 
これは、長期にわたって使用されると見込まれるものは買った時に全額費用処理するより、使用想定期間(耐用年数)に費用を割り振った方が、より適切な期間損益計算ができるためです。
(仮に取得時にすべて費用処理すると、取得年度は大赤字、次年度以降は大黒字みたいな極端な経営成績になってしまうことも想定されます。)
 
 
ただし、取得価額が10万円以上20万円未満の資産は一括償却資産として、資産の種類等に関わらず3年間で均等償却をすることができます。
 
 
要は、早期費用化(例えば本来の耐用年数が6年の資産だったとしても3年間で全て費用化できる)できるため、通常の減価償却資産として処理するより納税者有利(課税を繰延べられる)な処理となります。
 
 
また、減価償却資産は有しているだけで償却資産税という税金が賦課されますが、一括償却資産は償却資産税の対象にしなくて良いとされています。
 
 
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考えられる経理方法と管理方法

 
減価償却資産を取得した時は会計上で
 
「資産科目 / 現預金」
 
の様な仕訳で資産計上を行うと同時に、固定資産システムに登録を行い、システム上で台帳管理(のこりの償却年数や、償却残高などの管理)をされているかと思います。
 
(1〜2個ほどしか資産を有していない時はExcelで管理されている企業さんもいるかもしれないですね。)
 
 
 
では本題。
 
一括償却資産はどうやって経理処理・管理するべきでしょうか?
 
私が想定するパターンは下記の通りです。
 
 

パターン1「資産計上・固定資産システムで台帳管理」

 
まず一つ目が「資産計上・固定資産システムで台帳管理」というパターン。
これは通常の減価償却資産の取り扱いと変わらないですね。
 
会計上で「一括償却資産」などの科目で資産計上し、合わせて固定資産システムに登録・台帳管理。
毎年取得価額の3分の1を「減価償却費 / 一括償却資産」として費用化していく方法です。
 
 

パターン2「費用計上・固定資産システムで台帳管理」

 
二つ目は「費用計上・固定資産システムで台帳管理」というパターン。
こちらは会計上は取得時に一括費用計上してしまうパターンとなります。
 
 
当然税務上では一括費用化は認められていないので、法人税の計算上で償却限度額(取得価額の3分の1)を超える金額は調整されることになります。
 
 
このパターンでは毎年の償却仕訳( 減価償却費 / 一括償却資産 )を省略することが出来るので、パターン1より事務手数は減りますね。
 
 
税金計算上はパターン1では必要なかった加算調整が生じますが、調整があろうとなかろうと一括償却資産の別表(別表16(六))は作成する必要があるので、ここにあまり手間はかからないはずです。
 
 
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パターン3「費用計上・別表管理」

 
最後、三つ目は「費用計上・別表管理」というパターン。
資産管理を固定資産システムを使わず別表上だけで済ませちゃおうというもの。
 
 
そもそも資産計上をしていなければ台帳保存の必要性もないわけで、わざわざ一括償却資産の台帳を作成する必要はありません。
 
また、資産計上しようがしまいが、どちらにしろ作成する別表16(六)上で償却残高と残りの償却年数の管理も簡便的に行えます。
 
 
加えて、
近年、償却資産税の申告書は固定資産システムに資産登録すると自動的に集計・作成できる様になっており、中小企業者等が適用できる少額減価償却資産特例の資産も台帳登録などをする必要があります。
 
ただ、前述の通り一括償却資産は償却資産の対象にならないため、固定資産システムを通じて償却資産税の申告書を作成している場合でも登録は不要です。
 
 

【結論】ベストな方法は?

 
ここまでの説明ですでにお分かりかと思いますが、一番ベストな(事務手数がかからない)方法はパターン3の「費用計上・別表管理」です。
 
 
つまり、一括償却資産を取得したら・・・、
 
一括で費用処理して別表16(六)にさえ入力しておけば毎年の償却仕訳仕訳もいらないし、税金計算上の加減算管理も申告書システムが自動的にやってくれる(別表連動される様に設定しておけば)よ!
 
という次第でありんす。
 
 
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留意点

 
この一括償却資産の処理方法ですが、ちょっとした留意点があるので合わせて紹介します。

中小企業者等の少額減価償却資産特例では台帳管理が必要!

 
一括償却資産に似た様な処理で、中小企業者等に該当する会社のみ適用できる少額減価償却遺産の特例というものがあります。
これは取得価額が30万円未満なら、年間300万円まで取得時に一括費用処理して良いよというもの。
 
 
ただしこちらは償却資産税の対象となるため、費用処理されても固定資産システムに登録・管理が必要です。
(固定資産システムで償却資産税申告書を作成していることを前提としています。)
 
 
 

取得した一括償却資産ごとに処理パターンを変えるのはNG

 
複数の一括償却資産を取得された場合に、「この資産はパターン3。この資産はパターン1で処理しよう。」というのはNGです。
 
これは企業会計原則の「継続性の原則」において、「一度採用した処理は毎期継続してその処理を適用し、みだりにこれを変更してはならない」と定められているためです。
 
資産ごとにパターンを変えていたら、意図的にPLを良く見せたり、事業年度間の比較をした際に正常な比較が行えないなどの問題が生じます。
 
 
一度処理パターンを定めたら、基本的には以後処理パターンを変えない様にしましょう!
(細かくいうとパターン2と3は結果費用処理という面で整合性が取れているので混じっても問題ないですが、固定資産台帳がめちゃくちゃになりますし、そもそも混ぜるメリットがないので混合しないでしょう。)
 

PLにインパクトがある

 
処理からわかるように、取得年度で全額費用に計上してしまうため、損益計算書への影響が大きいです。
 
年間で取得した一括償却資産が1〜2個ならまだしも、十数個など取得されている場合はいきなり2〜300万円ほどの費用が損益計算書に計上されますので、融資やその他節税対策を予定されている場合は顧問税理士の方に相談の上処理方針を決めましょう。
 
 

まとめ

 
簡単にですが一括償却資産の経理処理方法と管理方法をまとめました。
 
ネットや書籍では一括償却資産の「概要」や「処理方法」は載っていますが、「じゃあ実務的にどう処理したら一番らくなの?」というのはあまり紹介されていなかったので今回記事にしてみました。
 
 
ちょっとでも参考になれば幸いです。
 
 
PS.
この記事執筆中、「少額減価償却資産」って変換しようとすると「小学減価償却資産」と誤変換されまくったわのりの記事でございました。
 
 
ではでは〜
 
 
 
 
 

 

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