法人税

少額減価償却資産の概要・経理処理・注意点をわかりやすく解説!(法人版)

bumpkazuki
【この記事をざっくりまとめると・・・】
①中小企業者等は取得価額30万円未満の資産を事業供用時に一括で経費に落とせる
②自身が適用するための要件を満たしているか確認しよう(中小企業者等に該当するか?)
③限度額や償却資産税の対象となるなど留意点を把握しておこう
こんにちわのり
若手税理士ライダーのわのりです。
今回は初心に帰って減価償却関係の論点少額減価償却資産」の概要と経理処理方法などを解説します。
法人目線での記事内容となっています。個人事業者のケースは今回紹介しておりません。

少額減価償却資産とは?

「少額減価償却資産」とは一定の事業者が適用することができる特例の中で出てくる用語で、
簡潔にいうと「取得価額が30万円未満の減価償却資産」を意味します。
特例の正式名称は「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(以下「特例」という。)と言い、中小企業者等に該当する法人は「取得価額が30万円未満の減価償却資産」を耐用年数などを無視して取得時に全額経費とすることができる制度となっています。
この特例を使用することにより、
通常は耐用年数に応じて少しずつ経費化される資産の購入金額が、初年度で全額経費化できるため節税(課税の繰り延べ)ができるというものです。
欠損が出ていたら当然節税にはならないのでご注意を!

適用できる会社

この特例ですが、前述した通り「中小企業者等」に該当する場合のみ適用が認められます。
今回は記事が長くなってしまうため「中小企業者等」の判定については触れませんが、後日別途記事にしようかと思います。
ちなみに「中小企業者等」の定義は下記の国税庁HPの「2 適用対象法人」にて解説されています。
また先日記事にした「適用除外事業者」の論点もこの「特例」及び「中小企業者等」に関わってくるので併せて読んでいただければと思います。

会計処理方法

会計処理は説明するまでもないと思いますが、借方に「経費科目」 & 貸方に「現預金などの資産科目」となります。
資産管理の観点から、取得時は資産に計上して決算整理仕分けで全額償却させる方法もあります。
以下、仕訳イメージ。

①取得時「資産計上」&決算整理で全額償却

【取得時】
固定資産(資産科目) 250,000 / 現預金 250,000
【決算整理】
減価償却費 250,000 / 固定資産 250,000

②取得時に全額償却(経費処理)

【取得時】
消耗品費(経費科目) 250,000 / 現預金 250,000
②の処理をされる場合は、後から会計データを見たときにわかりやすくなるよう、補助科目機能を使って区分するか、摘要に「(少額対象)」などと記載するとなおGOODです!

少額減価償却資産処理をする際の注意点

中小企業の税負担軽減・経理業務の簡素化のための少額減価償却資産の特例ですが、適用するにあたり注意しなければならない論点がいくつかあります。
そんな注意点で特に重要度が高いものをピックアップしてみます。

限度額

まずは限度額です。

この特例、30万円未満ならいくらでも経理処理できる訳ではなく、1事業年度ごとに限度額が定められています。

限度額は300万円

また、この「300万円」は12ヶ月ベースの設定額であり、事業年度が12ヶ月より短い場合には下記の算式で計算した金額が限度額になります。

300万円 ➗ 12ヶ月 ✖️ その事業年度の月数

なお、300万円を超える取得をした場合は、300万円キッチリ適用を受けられる訳ではなく、取得価額の合計額が300万円に達するまでの資産しか特例の適用を受けることができないので注意しましょう。

【例】
既に290万円分の適用をしたのちに20万円の資産を取得しても特例が適用できるのは2890万円部分のみ。

事業供用をしているか?

これは別記事で詳細を説明予定ですが、特例を適用して経費処理できるタイミングは「その事業年度中に事業供用した時」です。

当期に取得したけど使い始めたのは来期の場合、経費処理できるのは来期になります。

適用額明細書

法人税申告書には租税措置の適用を受ける場合に「適用額明細書」という書類を添付しなければいけません。
添付が漏れてしまった場合は特例の適用が認められないので申告書作成時は注意しましょう。
申告書作成をご自身でやられている事業者の方はやりがちのミスです!

償却資産税での取り扱い

償却資産税は簡単にいうと、資産計上すべき減価償却資産について課される税金です。
少額減価償却資産は資産計上せずに取得時に全額経費処理ができますが償却資産税の対象になるので注意が必要です。
特に、固定資産管理システム(減価償却の達人など)から償却資産税申告書を作成されている法人が大半だと思うので、資産計上はしないけれど固定資産台帳には登録しなければなりません。
(大体の固定資産管理システムには専用の科目や機能が常設されているはず!)

まとめ

納税者が有利になる「少額減価償却資産の特例」ですが、留意点も多いので適用する際はミスや作業漏れがないか注意しましょう。
せっかくの優遇制度が使えず、税額の計算間違えがあって延滞税などが発生したら本末転倒ですので・・・。
ではでは〜
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わのり
わのり
税理士(ゲーマー・トラベラー)
若手税理士(30は若手なのか・・・?)のわのりが運営する雑記ブログ。 主に個人的に気になった税務論点や、趣味のゲーム・旅行・ガジェット・ロードバイクの情報を発信中。
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