会計・税務

【副業と税金】副業収入が20万円以下なら確定申告は不要?住民税申告などの落とし穴に要注意!!

bumpkazuki

こんにちわのり。

この挨拶を定着させようとしてるわのりです。

 

最近、副業を始める友人が増えてきました。

今回は副業をされている方の税金の申告について、多くの方が誤解されていそうな「所得20万円以下 = 税金の申告不要!」の話をまとめてみました。

この記事は税金の知識が0の方でも読みやすい様、専門的な用語の使用などを極力避けております。

 

「副業収入20万円以下=確定申告不要」は絶対ではない!

最近は国も副業を推進しており、みなさんの周りにも副業を始めた人が増えてきてるのでないでしょうか。
もしくはこの記事を読んでいるあなたが、今まさに副業を始めるにあたり、税金関係が気になりこの記事にたどり着いたのではないでしょうか。

 

税金の知識も今やインターネットでいくらでも収集できますから、副業を始めるハードルも下がってきてるんだろうなあと思っていたり。

わのり自身も副業をしていますが、みなさんと同じく副業を始める際に税金のことは色々調べました。
(当初のわのりは所得税にはあまり詳しくなかったので・・・。)

その時ネットや本で情報収集をしたのですが、その際、様々な情報媒体で、

 

「副業収入(正確には「雑所得」ですが簡便的に以下「収入」と表記します。)が20万円以下の時は確定申告は不要です!」

 

みたいな書き方してるところが多かった気がします。

これ、

 

間違いですよ!!

 

正式には間違いというか、提供する情報が足りなくて、誤解する人が出てしまうという感じです。

 

なんていうか、お店で焼きそば頼んだら、カップ焼きそばが出てきたみたいな感じ?(余計わからん)

 

そもそも確定申告が必要な人って?

基本的に副業してないサラリーマンは確定申告不要

この記事を読まれている方の多くは、副業をしているもしくはこれからされる方が大半だと思いますが、
その方々に質問です!

 

副業を始める前まで確定申告ってしたことありますか?

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わのり

おそらく、多くの方は確定申告をされていなかったはずです。
(一部、住宅ローン控除などの適用のため、副業をされていなくても確定申告していた方を除きます。)

なぜ、今まで確定申告をしていなかった(しなくてよかった)のかと言うと、会社側で簡便的な確定申告である「年末調整」というものがされているからです。

つまり会社があなたの代わりに確定申告作業をしてくれているってことですね。
ありがたや〜(^ 人 ^)

 

ここまでをまとめると、

 

「会社からの給与は会社側で確定申告してくれている = あなたは確定申告作業が不要」

 

って感じです。

 

ただここで、給与とは別に副業による収入があったとしましょう。

会社からの給与は前述の通り会社が確定申告していますが、そこには副業の収入は加味されていません。(会社からしたら従業員が副業でいくら稼いだなんて知らないですし、会社としても別にどうでも良いことなので当たり前ですね。)

すると、副業によって得た収入は確定申告されていないことになります。

つまり、別途あなたが確定申告する必要があると言うことです!

 

まとめると、

会社からの給与・・・原則、会社が確定申告(年末調整)している

副業による収入・・・原則、あなたが確定申告しなければならない

「原則」と書いたのには、例外的な場合があると言うことですが、ここで20万円以下うんぬんの話が出てくるわけです。次項はこの「原則」と「例外」を説明します。

 

給与所得者で確定申告が必要な人

国税庁のHPで、給与所得者(サラリーマンなど会社から給与を支給されている方)で確定申告が必要な人を記載しているページがあります。

 

国税庁HP「給与所得者で確定申告が必要な人」

 

なんか長々書いてあるし、専門用語多いしで分かりづらいと思いますので、この記事を読まれていると思われる方に関係が深い項目だけ拾い出しました。

 

  1. 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  2. 1か所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  3. 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

 

サラリーマンで確定申告が必要な方の多くの理由はここらへんですかね。

一つずつ詳しく見ていきましょう。

 

1.給与の年間収入金額が2,000万円を超える人

年間収入金額が2,000万円を超える人は高所得者とされ、会社側で年末調整がされないため、各自確定申告をする必要があります。これは単純に「年末調整されない(会社が確定申告してくれない) = 自分で確定申告しなければならない」ってことですね。

つまり、年間収入金額が2,000万円を超える人は副業収入が20万以下であるかどうかに関わらず確定申告が必要となります。

 

2.1か所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

これがこの記事のメイン題材でもある「副業収入20万円以下=確定申告不要?」に深く関わってくるところです。

原理原則を言えば、副業で発生した収入が1円でもあれば確定申告が必要なわけですが、国としてもそこまで少額な金額を追求して税を課すことは妥当ではない場合もあるし、みんながみんな確定申告してきたら国側の事務手数も増加してしまうので、「一定額(20万円)以下なら例外として確定申告しなくてい良いよ」というルールを設けているわけですね。

 

ただこれも、「給与については会社側で年末調整がされている人」を前提としているので、たとえ副業収入が20万円以下であっても、給与について会社側で年末調整がされていない人は確定申告が必要となります。

 

「給与について会社側で年末調整がされていない人」ってどんな人かというと、上記の年間収入金額2,000万円超の高所得者や、その年の途中で退職し年末までに別の会社に再就職していない人などが該当します。

 

年末調整は基本的に年末に在職している人を対象としているので、年の途中で退職された方は会社側で年末調整されないため注意が必要です。(年末までに再就職されている方は再就職先の会社で年末調整が行われます。)

 

3.2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

これは、アルバイトやパートなど副業収入を給与として受給している人を対象とした規定です。
ここでいう「主たる給与」とは年末調整を受けている給与のことを指し、「主たる給与以外の給与」とは副業で給与として受給している収入を指します。

 

噛み砕いて説明すると、

 

「副業(アルバイトやパート)で得た給与と、副業(アフィリエイトやFXなど)で得たその他の収入の合計額が20万円以下の場合確定申告が不要」

 

ということになります。

 

複数の会社で働いている場合、基本的に年末調整は収入金額が大きい会社側でのみ行われるため、副業のアルバイトやパートで勤めている会社側では年末調整は行われません。

そのため、
年末調整がされていない「主たる給与以外の給与」と「それ以外の副業収入」の合計額を確定申告してね!
ということです。

まとめると・・・

年末調整されている金額以外の収入がある人は確定申告してね!
ただ、その金額が20万円以下なら確定申告不要だよ!(高所得者を除く)

という結論になります。

単に「副業収入20万円以下 = 確定申告不要」というわけではなく、あくまで「メインの給与につき年末調整がされている」かつ「年間収入金額が2,000万円を超えない」という前提条件もと確定申告が不要になっていることを理解しましょう!

 

副確定申告が不要となっても住民税の申告は必要!!

ここまでの内容を読んで

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私は年末調整受けてるし、今年は副業の収入も20万円以下だから税金の申告しなくて済むんだ!

と思われた方、

残念ながら確定申告は不要でも、副業収入がある場合には住民税の申告が必要となります!

 

一旦整理しますと、
前項までで説明してきた「確定申告」とは、所得税を計算・納付するための作業です。
しかし、あなたがいつも納めている税金って所得税だけですか?

 

給与明細を思い出して見てください、
「住民税」って項目がありませんか?

 

そう、前項まではあくまで所得税に限ったお話であり、住民税については別途申告をする必要があります!
しかも住民税には「20万円以下 = 申告不要」のルールがないため、1円でも副業収入が発生していれば申告の義務が生じるのです。

 

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でも、今まで住民税の申告ってしたことないけど・・・?

と思った方も多いでしょう。
それもそのはず、通常は年末調整(所得税の確定申告)を国にすると、国から市区町村にその情報を回すため、住民税の申告は必要ないのです。つまり、「所得税の確定申告をしていれば住民税の申告は不要」ということですね。

 

ここで、副業収入が20万円以下で所得税の確定申告をしなかった場合を考えてみると、
確定申告していないわけですから、あなたの副業収入情報は国は持っていません。

そうなると、国も市区町村に渡す情報がないため、市区町村も副業収入情報を得られないことになります。

そのため、住民税の申告を行なって市区町村に必要な副業収入情報を提供する必要があるわけです。

 

結論:副業してる人はなにかしらの申告は必要

結論としては、副業をして収入を得ている方は所得税又は住民税の申告が必要になるため、
「副業収入20万円以下 = 税金の申告不要」とはならないので注意しましょう。

 

おわりに

わのりも副業に関する書籍をいくつか読みましたが、所得税の申告にしか触れておらず、住民税の申告の話題を出していなものがいくつかありました。
ブログ記事とかならまだしも、書籍としてお金をとって情報提供しているにも関わらず、「副業収入20万円以下 = 税金の申告不要」みたいな書き方で誤解を与えかねないのは如何なものかと思いますね。

 

副業に関する税金の書籍を買うなら、著者に税理士などその道の方が絡んでいるものを買われることをおすすめします。(税理士が関わっているのにこれらのことが書かれていなかったら、その税理士かなりやばいんじゃ・・・。)

 

ちなみに、所得税の申告書は国税庁が提供しているサイト「確定申告書作成コーナー」で、初心者でもわかりやすい解説付きで、案内に沿って金額を入力するだけで作成ができるので、あまり複雑な副業収入体系でない場合はこちらを利用をおすすめします。

 

【国税庁】確定申告書作成コーナー

 

個人的には副業収入20万円以下なら、これでぱぱっと所得税の確定申告書作って、住民税の申告を省略する方が楽だと思うので是非お試しを!

 

わのりはこの記事を書いてて所得税の申告が必要になるくらい副業を頑張りたいと思いました(汗)^^;

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わのり
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税理士(ゲーマー・トラベラー)
若手税理士(30は若手なのか・・・?)のわのりが運営する雑記ブログ。 主に個人的に気になった税務論点や、趣味のゲーム・旅行・ガジェット・ロードバイクの情報を発信中。
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