【この記事をざっくりまとめると・・・】
①延滞金・延滞税は基本的に損金不算入
②社会保険料の延滞金は例外的に損金算入
③延滞金・延滞税が発生しないように気をつけることが一番大事
こんにちわのり
月次決算時に租税公課や雑損失の元帳で「延滞金・延滞税」を見つけると「おぉぅ・・・。」となる若手税理士わのりです。
延滞金・延滞税については当然発生しない方が良いですが、諸事情で納付が遅れて発生してしまうこともあるかと思います。
その際は2度と生じないように心に誓いながら経理処理をするしかないのですが、先日(個人的には)あまり出会わない社会保険料の納付遅延にかかる延滞金と遭遇したので、今回は社会保険の延滞金の税務上の取り扱いについて記事にします。
社会保険の延滞金とは?
個人的に法人税や地方税、源泉所得税の納付遅延による延滞税・延滞金はよく見かけますが(企業としてはあまりよろしくないですが・・・)社会保険料の延滞金ってあまり見かけないんですよね。
理由は不明です(笑)。
以前書いた源泉所得税の納付漏れが生じた場合の対応方法・罰則金の記事↓↓
まぁそんなことは置いといて、社会保険料についても税金と同様に納付漏れや納付遅延が生じると「延滞金」を課される場合があります。
これらの延滞金・延滞税は会計処理では「租税公課」などで費用処理することとなりますが、税務処理はその延滞金・延滞税の発生要因によって変わってきます。
延滞税や延滞金は基本的に損金不算入
延滞税や延滞金は「罰則金」として課されているもののため、税務上は基本的には損金不算入として取り扱われます。
違反を処すために課した罰則金が、損金算入されて税額を減らしてたら元も子もないですからね。
ただ、例外的なものもあります。
例えば、法人税の確定申告期限は通常事業年度終了の日から2ヶ月以内ですが、一定の条件を満たす場合にその期限を延長することができます。
しかし、延長できるのは申告期限のみで納付期限(事業年度終了の日から2月以内)は延長することはできません。
その際に、事業年度終了の日から2月を経過する日〜申告期限の間で納付した場合には、その期間の対応する利息相当額として利子税が課されることがあります。
この利子税は罰則金として課されたものではないので、税務上は損金算入することができます。
社会保険の延滞金は損金算入可能
じゃあ、社会保険料の延滞金はどうなのかを考えてみましょう。
まず、社会保険料の延滞金は納付が遅れた・漏れたために課される罰則金です。
そのため、前述の考え方に習うと税務上は損金不算入となるべきですが・・・。
実は損金算入されます。
これは、「罰則金が損金不算入となる旨を定めた規定に「社会保険料の延滞金」が記載されていないため」です。
もはや、ただの条文の穴なのでは?
とも思えますが、まぁ納税者有利になる(税額を減らせる)のでスルーしておきましょう。。。
・法人税法第55条(不正行為等に係る費用等の損金不算入)第3項一号、及び同条二号
です。
まとめ
なんだかなぁ。
って感じですよね。
「罰則金 = 損金不算入(経費として認められない)」という考え方があるにも関わらず、社会保険の延滞金だけ損金算入できるという・・・。
ただ、そもそも論としては「延滞税・延滞金」を生じさせないことを目的地とすべきなので、今回の記事はあくまで「たまたま生じてしまった」場合に参考にして貰えればなと思います。
ではでは〜
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若手税理士(30は若手なのか・・・?)のわのりが運営する雑記ブログ。
主に個人的に気になった税務論点や、趣味のゲーム・旅行・ガジェット・ロードバイクの情報を発信中。